建築
世の中のちょっと不思議なものを発見するのが得意な建築家のたねもしかけもさん。この絵を見たときに、自宅になんとなく保管していたこの古い乳母車の形が頭にピンと浮かんだそうです。黒く塗られたこの物体は、本来の役目を解かれ、車輪やバネなどのバーツが純粋に「形」として目に飛び込んできます。
なるほどこの目線、絵を見るときの目線と似ているかもしれません。画面の絵の具を絵の具としてではなく色や形として見るように、バネをバネとしてではなく重なり合う螺旋の形として見る。目のフォーカスのスイッチを切り替えると、世界の見え方が一気にその人オリジナルなものになっていくのです。
もしかしたらたねもしかけもさんが発見した「形の正体」は、この眼差しの発見と言えるのかもしれません。