木工
よしの木工さんは、善三先生がアトリエで書き物をするときに使うことを想像した机と椅子を制作しました。椅子はこの絵から連想した、い草を編んだ座面。机は古いものが好きだった善三先生の部屋にふさわしく使い込んだアンティークな雰囲気。まるでそこに善三先生の姿が見えるようです。
このずっしりと高級感のある机には、小国の木工の第一人者であるよしの木工さんの並々ならぬ熱意が注がれています。長い植林の伝統がある小国だからこそ出会える大きな杉材、何重にも塗り重ねられた漆、培った技術を注ぎ込んだ細部に至るまでの細かい仕上げ。「自分のこれまでの集大成だと思って挑戦した」と語る吉野さんの、手間と時間と材料を惜しまず挑戦する姿勢に、ものづくりの本質を見せてもらった気がします。