服
もやもやとにじみ出るような墨色の濃淡で描かれた格子の形。まるで画面の向こうから光が射しているかのよう。
素材から服を手掛ける TIGRE BROCANTE さんは、この作品で生地をつくり、そこからさまざまなアイテムの服を制作しました。
それにはやはり、この絵のなんとも言えない「もやもや」をいかに表現できるかにかかっているところ。そこで、4版を重ねるシルクスクリーンプリントによってそれを見事に再現。ただのチェック模様ではない、まるで生地が呼吸しているみたいな「善三の格子(Zenzo carreaux)」が生まれました。それはまさに、周囲と溶け合いながら静かに自分らしさを主張する、善三作品の包容力と存在感をそのまま表しているかのようです。